2013/08/16
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海洋基本法と大陸棚の拡大

○海洋基本法について
1.海洋基本法の制定
国として総合的・一体的に海洋施策を講じるため、平成19 年4月に「海洋基本法」を制定し、7月20日から施行となった。
食料や資源・エネルギーの確保、地球環境の維持など海が果たす役割が増している一方で、水産資源の減少や海洋環境の悪化、重大海難事故の発生などの問題に対し、海洋政策の新たな制度的枠組みの構築が必要であった。海洋基本法は、海洋に関する施策を総合的・計画的に推進し、日本の経済社会の健全な発展及び国民生活の安定向上を図るとともに、海洋と人類の共生に貢献することを目的としている。内閣総理大臣を本部長とする「総合海洋政策本部」が設けられた。

2.「海洋の開発及び利用と海洋環境の保全との調和」など6つの基本理念
海洋基本法は、「海洋の開発及び利用と海洋環境の保全との調和」、「海洋の安全の確保」、「海洋に関する科学的知見の充実」、「海洋産業の健全な発展」、「海洋の総合的管理」、「海洋に関する国際的協調」という6つの基本理念を掲げている。

3.「海洋基本計画」策定
平成20年3月には、海洋基本法に基づき、今後の施策の中期的指針となる「海洋基本計画」が策定された。
○日本の大陸棚拡大(外務省 平成24年4月27日発表)
排他的経済水域外でも海底資源の開発権を主張できる日本の大陸棚の拡大が初めて国連に認められた。太平洋4海域の計約31万平方km、国土面積の約82%に相当する。最南端の沖
ノ鳥島も認定の基点と国連に認められた。領海を除く、日本の大陸棚総面積は436万平方kmとなる。
・日本が平成8年に批准した国連海洋法条約では、排他的経済水域外でも海底地形の連続が証明されれば、沿岸国の大陸棚になると規定している。国内法で平成10年に公布された「排他的経済水域および大陸棚に関する法律」により、12海里の領海、200海里の排他的経済水域を設定している。
日本政府は平成20年に7海域、74万平方kmの拡大を申請したが、国連の大陸棚限界委員会は、平成24年に沖ノ鳥島北方の海域を含む31万平方km分を認定した。
日本海や東シナ海については、ロシアや中国などと排他的経済水域の境界が重なっているため、日本政府は大陸棚の拡大申請対象としていない。
・大陸棚限界委員会
国連海洋法条約に基づいて設置された。同条約は大陸棚の開発権を沿岸国に認めており、200海里(約370km)を超える大陸棚を設定したい場合、委員会に申請し審査を受ける必要がある。認められれば、海洋資源の開発エリアが広がる。委員会は各国の地質学や地球物理学などの専門家21人で構成されている。
・資源エネルギー庁によると、周辺海域では、マンガンの埋蔵が確認されており、海域の地質からガリウム、ゲルマニウムなどのレアメタル(希少金属)のほか、銅や鉛、亜鉛などを含む「海底熱水鉱床」、コバルトを含む「コバルトリッチクラスト」が存在する可能性もあるといわれている。またクリーンエネルギーとして、メタンハイドレートの存在も期待されている。
新たな海域が認められたことで、日本政府は平成24年度内には海洋基本計画を見直す予定である。