2013/10/25
  • 理科(地学)
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波の高さとエネルギー(波に関連する用語について)

○波に関連する用語について
1.波浪
海洋表面の波動のうち、風によって発生した周期が1~30秒程度のもの。風浪とうねりからなる。
海面上で風が吹くと、海面には波が立ち、波は吹かれた方向(風下)へ進んでいく。波が進むスピードより風が強いと、波は風に押されて発達していく。その海域で吹いている風によって生じる波を「風浪」という。風浪は発達しつつある波で、個々の波は不規則で尖っており、強い風の場合は白波が立つ。発達した波ほど、波の高さが大きく、周期と波長も長くなり、スピードも速くなる。

2.うねり
発達してきた風浪が風の吹かない領域にまで伝わった波のこと。また、風が弱まった場合や風向が急に変化した場合に残された波を「うねり」という。うねりは同じ波高の風浪と比較すると、規則的で丸みを帯び、沖では穏やかに見えることもある。一方で、うねりは波長が長いために水深の浅い海岸付近では、海底の浅海効果を受けやすく、波長の短い風浪よりも波が高くなりやすい。うねりの波長は100m以上、周期が8秒以上のものが多く、沖から来たうねりが急激に高くなることがあり、波にさらわれる事故も起こりやすく、注意が必要である。
土用波はうねりの例として有名で、数千km南方の台風周辺で発生した波が日本の太平洋岸まで伝わる。うねりが伝わる速さは、時には時速50km以上となることもある。
非常に強い風の吹く台風の中心付近では、様々な方向からの風浪とうねりが混在して、波高が10メートルを超えることもある。

3.有義波、有義波高
通常、海には高い波や低い波が混在し、複雑な波の状態を簡単に表す方法として、統計量を使用している。
・有義波(有義波高、有義波周期)の計算方法
① ある地点で連続する波を観測し、波高の高いほうから順に全体の1/3の個数の波を選ぶ。例えば20分間で100個の波が観測されれば、大きい方の33個の波を選ぶ。
② 全体の1/3の個数の波高および周期の平均値を計算し、有義波(有義波高、有義波周期)とする。これを「3分の1最大波」ともいう。
・有義波は、一番高い波でも、単なる平均の波でもなく、また大きな波や小さな波が混在する実際の海面では、目視で観測される波高は有義波高に近いため、一般に波高という場合は有義波高を指す。
・実際の海面には有義波高より高い波や低い波が混在し、まれに、有義波高の2倍を超えるような波も見られる。例えば、100個の波を観測した時に見られる一番高い波は、平均的には有義波高の約1.6倍にもなる。これを「100波に1波は有義波高の約1.6倍」や「100分の1最大波は有義波高の約1.6倍」ということもある。また、1000波の場合には、そのうち1波は有義波高の2倍近い高い波となることもある。

波の高さとエネルギー(波に関連する用語について)4.沿岸波浪実況図(AWJP)
・波浪の観測データや気象状況から波浪の状態を推定し、9時、21時の実況波浪図を作成している。
・波浪の観測は、漁船や商船などの船舶、海上の気象を観測するためのブイ、沿岸に設置している波浪計、地球観測衛星などからデータを得ている。
・実況図では、波の高さ(有義波高)の分布を等波高線で示している。等波高線は1メートルごとの実線と、0.5メートルごとの破線を用いて表示している。また、近海の約250kmごとの点には、波の向きを表す矢印、周期(秒)、海上の風向・風速の記号(ノット)を表示している。また、冬期には海氷域が示される。
・波浪図の左上の表には、それぞれ、アルファベットのA~Zで示す全国26ヶ所の波浪の推定値(波の向き、周期、高さ)と海上の風向・風速(推定値)、および気象庁の沿岸波浪計の観測値を掲載している。
・沿岸波浪図で示される波の向きと周期、風向・風速は、いずれも実際に観測された値ではなく、気象および波浪を予想する数値モデルで計算した推定値を表示している。