2013/11/05
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日本の海洋でのエネルギー開発(日本近海の海底資源)

○日本の海洋でのエネルギー開発(日本近海の海底資源)

1.日本の海底資源の開発計画
日本周辺の海底は、世界有数の資源の宝庫といわれ、世界第6位の広さを持つと言われる排他的経済水域内の海底資源に注目が集まっている。
・海洋研究開発機構(JAMSTEC)の取り組み
2011年4月から「海底資源研究プロジェクト」が始まった。海底無人探査機や地球深部探査船「ちきゅう」を活用し、海底下の物質や生態系の基本的な理解を深めるための研究、技術開発を進めている。
・経済産業省の取り組み
2012年に行うメタンハイドレートの第一回海洋産出試験にも「ちきゅう」が活用される予定である。メタンハイドレートは、クリーンな次世代エネルギーとして期待される海底資源で、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を中心とした産学共同研究チーム「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21)」が、実用化に向け取り組んでいる。

日本の海洋でのエネルギー開発(日本近海の海底資源)
2.日本近海に分布する海底資源
①メタンハイドレート
・日本近海には、石油や石炭と比べ二酸化炭素の排出量が少なく、温暖化対策に有効であるメタンハイドレートが豊富に埋蔵されていると考えられている。埋蔵量は、現在知られている石油の2倍以上はあると推定されており、比較的採掘しやすい大陸沿岸に存在することがわかっている。
・メタンハイドレートは、2003年から開始された統合国際深海掘削計画(IODP)の研究テーマの一つにもなっており、IODPの掘削調査によって、埋蔵量、性質など、詳しい研究が進められてきた。
・メタンハイドレートは、「燃える氷」とも呼ばれている。ハイドレートとは水和物のことで、天然ガスの成分であるメタンが、氷になった水の分子に取り囲まれ、シャーベット状になっている。
・メタンハイドレートの採取には、採掘技術や採掘後にメタンハイドレートを失った地下構造の崩壊の可能性などの様々な課題がある。
②マンガンノジュール
海底資源として以前から注目されてきたマンガンノジュールは、マンガンと鉄を主体として、ニッケルやコバルトなどの希少金属を含有している。東太平洋の赤道から北緯20度の範囲に帯状に分布している。特にハワイの南東沖には高品質のマンガンノジュールが分布し、「マンガン銀座」と呼ばれている。マンガンが層状に露出しているマンガンクラストは、太平洋の中部から西太平洋にかけて広い海域で発見されている。
③熱水噴出孔
海底の熱水噴出孔は、有用な金属をたくさん含む金属鉱床でもある。熱水噴出孔の周りには、煙突状の「チムニー」がつくられ、銅や亜鉛、鉛、金、銀などの硫化物が堆積している。高さ10mに達するものもあり、日本周辺では、沖縄トラフの伊平屋・伊是名、伊豆・小笠原などで大規模な熱水鉱床が発見されている。
マンガンノジュール、マンガンクラスト、熱水鉱床の多くが水深数千mの深海にあり、資源として利用するためには、採取技術の開発と、コストの問題を克服する必要がある。