東京大学
海の不思議な生物~イソギンチャクに共生するクマノミ~

 クマノミは暖かい海域のサンゴ礁に分布する魚で、映画「ファインディング・ニモ」のモチーフとなった。観賞用に飼育されることも多い。生態、生殖方法に特徴があり、他の生物との「共生」あるいは「性転換」を学ぶ事ができる。

生態の特徴: クマノミ属には、28種が含まれている。彼らは英名でanemonefishとよばれるように、イソギンチャク(英名でsea anemone)に密着して生活している。通常イソギンチャクの触手に触れた動物は、刺胞による攻撃を受ける。しかしクマノミは刺胞に対する免疫を持つために触手に触れても問題なく行動できる。そのためクマノミは外敵からの攻撃をイソギンチャクに隠れることにより防ぐことができる。ただしこれは生まれもった体質ではなく、幼魚が徐々にイソギンチャクと触れ合うことで免疫性を獲得する。そのためクマノミはイソギンチャクの触手の中にいると大きな動物からも捕食されず、身を守ることができる。このようなクマノミとイソギンチャクの関係を「共生」いう。このクマノミとイソギンチャクの関係が、相利共生(どちらにもメリットがある)か片利共生(クマノミのみにしかメリットがない)なのかは現在のところ議論が分かれている。

生殖の特徴: 通常ひとつのイソギンチャクの中に、クマノミは複数匹のグループを形成して棲息している。この中で一番体長の大きな個体がメスで、つぎに大きな個体がオスとして機能している。それ以下の魚は全て未成熟で生殖には関与していない。しかし大きな個体が捕食者によって死亡すると、オスがメスへと性転換する。また未成熟であった個体が成熟しオスになる。

海の不思議な生物

学習素材 理科(生物)